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「シュンタソ、私も協力するよ」
コイツがいると厄介だな。
僕達は目的が違う。
僕はココちゃんの無実の証拠を、姫子はココちゃんが有罪である証拠を探す訳だ。
そこに協力関係など生まれるはずがない。
だが、ここで断るのも不自然か。
「あぁ、わかった。それじゃあ、そろそろ僕を戻してくれ。」
それを聞くと、姫子は僕に歩み寄り、僕の上に跨った。
僕を元の世界へと戻す儀式…なのかわからないが、前回もそうだった。
「なあ、これやる必要あるのか?」
「何が?」
「僕の上に跨る事だよ。戻すのに必要あるのかって聞いてるんだ。」
姫子は、僕に跨った状態で急に抱きついてきた。
そして僕の耳元で囁いた。
「ない。」
この…糞女…。
僕達を微かに照らしていた明かりが消え、再び明かりが点いた。
そして目の前に広がった光景は、見慣れた僕の部屋だった。
さて、捜査を開始しますか。
まずはどこからだ。
引退者…ネットオークションへの売り手を当たるのもいいが、見つけたところでRMTを認めるとは思えない。
すると、やはり当たるのは買い手か…。
こちらも認めるはずはないが、少しづつ、警戒させないように探っていけば、いつかボロが出るだろう。
買い手と思われる容疑者は、希望の国の国民だ。
売り手よりは警戒されずに調査出来るはずだ。
早速、ココちゃんのマイページへ飛び、チャットを開いた。
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