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さて、何から聞いていこうか。
僕はココちゃんが、RMTをしていないという証拠が欲しい訳だが、その総額は30万を超える金額だ。
例えば、ココちゃんが学生…それも中高生だった場合、その時点で無実の可能性がグッと高まる。
親が余程の金持ちでない限り、お小遣いだけで30万もポンと出す事は不可能だろう。
仮にアルバイトをしていたとしても、良く知りもしないゲームのカードに、30万もの大金を払う学生がいるだろうか?
年齢や職業の話なら気軽に聞くことが出来る。
うん、聞くならこれだ。
「ココちゃん、ココちゃんは学生さんかな?」
姫子の言う通り、レスポンスは良くないな。
1時間程待ったが、返信はない。
それじゃ、風呂でも入ってビールで晩酌といくか。
普段僕は湯船には浸からず、シャワーだけ済ますタイプだが、晩酌のビールを美味しくいただくため、久しぶりに浴槽にお湯を張った。
僕は体を洗うと、勢い良く湯船に腰をおろした。
はぁー、いいもんだな。
雪景色の見える温泉…というわけにはいかないが、自宅の風呂でも十分気持ちいいや。
僕は身体をゆっくりと温めながら、物思いにふける。
ココちゃんが、もし学生じゃなかった場合…RMTで希少カードを手に入れた可能性は飛躍的に高くなる。
しかし、仮にRMTを用いたとして、始めたばかりのゲームに30万も使うだろうか?
やはり、誰かのサブアカウントである事も視野に入れなきゃな。
僕は風呂から上がり、大型の冷蔵庫から缶ビールを1本取り出し、部屋に戻った。
プシュッと缶ビールのフタを開け、喉に流し込むように飲んだ。
一息つくと、ノバゲーにログインした。
チャットが…来ている。
誰からだ?
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