入国者

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浅い眠りから覚める。 世間一般的にはこれを昼寝と言うだろうか。 まだ半分寝ている状態ではあるが、無意識のうちにノバゲーにログインする。 ここまでくると依存も末期だ。 ノバゲーを開くと、まず自分のマイページが表示される。 そこで、自分の自己紹介をしたり、チャットをしたりすることが出来る。 僕のマイページに、新着情報を報せるNEWというアイコンが表示されていた。 そのアイコンが付いている機能は、チャットであった。 チャットを開くと、差出人名が表示される。 …姫子か。 「ニュウコクシャアリ シキュウカクニンサレタシ」 なんで形式が電報なんだよ。 しかし、遂に来たか…入国者が。 国への加入方法は、申請者が入国申請を送り、リーダーがその入国申請を許可し、初めて入国となる。 これが基本だ。 しかし、僕の国はあまりにも人が来ないため、入国申請を自動許可にしていた。 宣伝をしてから1~2時間ってところだろうか、その効果は抜群だ。 これからどんどん入国者が増えていくだろう。 2時間で1人と仮定すると、明日…24時間後には12人。 1ヶ月はおよそ、700時間。 つまり、来月には350人程の入国者で溢れることだろう。 しかし残念なことに、1国につき30人までという制限がある。 すると僕のマイページには、入国希望者が長蛇の列を連ねる訳だ。 「シュンタソさん!まだ空きありますか!?」 「今何人待ちですか!?」 「待って待って!順番だよ!押さないで!」 なんつって。 僕は高鳴る胸を抑えきれず、早速神聖戦記へログインした。 うむ、姫子の情報に間違いはないようだ。 神聖戦記のマイページには、入国者アリを報せる、新着情報が表示された。 さてさて、どんなユーザーだろうか。 顔の見えないインターネットにおいて、その人となりを判断するのは、やはり文章となるだろう。 入国に当たり、入国者からの挨拶が残されているはずだ。 君達も新しい会社へ就職する際には、宜しくお願いします。と挨拶するだろう? それはSNSも一緒だ。 そのユーザーは、ノバゲー株式会社に就職し、その中の神聖戦記部、希望の国課に配属されたのだ。 まぁ給料は払わんがね。 早速、国の掲示板を見てみると、それはおおよそ挨拶と判断するには困難なモノだった。 「ょзι<ぉねカゞレヽιます(*´∀`*)」
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