後悔

2/3
990人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
「知らなかったとでも言うんですか?」 頭をかかえた俺の頭上に 突然降ってきた声。 「原口の噂…知らなかったとでも?」 小林は俺の方に向かって歩きながら 強い口調で言ってくる。 的をつかれた小林の問いに目をそらしてしまった俺。 知らなかった…で済む話じゃないことはわかってる。 だけど、そんな噂は、 一度だって聞いたことがなかった。 いや、むしろ知ってたら、 麻衣をつかせたりはしない。 小林は、ゆっくりと俺の真横で立ち止まると、鋭い視線で見下ろした。 「どうして俺を麻衣ちゃんのアシストからはずしたんですか?」 『お~い!小林!そろそろ時間だぞ!』 「はい!今行きます」 これからまた外営業に行く小林は、出口から呼びかけられた声に一瞬だけ振り返ると、また俺に視線を戻した。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!