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エルが六番街に着いた頃、グレイルの家付近では既に捜査が始まっていた。
「身元不明の死体が四体と、グレイルという猟師の死体か。同一犯ですかね?」
茶髪の若い男が遺体を棒でつつきながらそういった。男の側にいる大柄の男が周りの景色を見渡し、言う。
「ここは普段一般人が来るような所ではない。今日この場に農場の所有者が、畑を見に来なければこの死体は暫く発見されなかっただろう。あと、つつくの止めろ」
「へーい。犯人は、それを分かっていて五人を殺害した。同一犯でほぼ確定ですね。それより、身元が分からない四体をさっさと解剖とかなんなりしないと。にしても酷いな、顔がぐちゃぐちゃだ」
茶髪の男が回りにいた部下に指示を出す。大柄の男は、広いトウモロコシ畑を眺めていた。
「なぁ、ヒューズよ」
「なんすか先輩、畑なんか眺めちゃって、故郷思い出しました?」
「お前なら、この犯人にどう言った審判を下す?」
「勿論、処刑です。俺の『ジャッジメント』で、この死体同様、ぐちゃぐちゃにしてやりますよ。そう言う先輩は?どのような審判を?」
「俺か?俺はな」
大柄の男は右手を擦った。そして犯人に怒りをぶつけるように唾を吐く。
「神の法の基、地獄に送ってやる」
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