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車は西口まで走ると、急にブレーキをかけた。前方が封鎖されていて、沢山の警官の姿が見える。
「国家警察?んでこんな所に」
アウターが車を降り、駆け寄った警官の一人と会話する。暫く経ってアウターが車に戻り、エルに降りるよう言った。
二人に制服が違う警官が歩み寄ってくる。背が高く、煙草を吹かしていた。
「いやいや急に申し訳ありません。警備会社の方々」
「何があったんッス?」
「殺人事件だよ、俺は今捜査中だ」
その警官は手帳を見せた。名前はハリソン・ウェーバー。
「殺人事件って、また物騒な」
「貴方の身分はお持ちのIDカードで証明されました。だが、そちらのお嬢さんはまだ身分が判らない」
ハリソンはエルに近づき、汚物を見るような目で見下ろした。
「容易く市街地に行けると思ったか」
「えっ、この子が犯人!?」
アウターが驚いてハリソンの後ろに隠れる。ハリソンはアウターを肘で払い、そのまま腰にぶら下げた銃を取り、エルの額に突きつける。
「署、いや。審判の塔までご同行願おうか」
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