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数年前
オッサン:
「なんだってあんたみたいなおチビさんがこんな森の奥まで?」
少女:
「親に捨てられた」
オ:
「そうか…あんたドザンクの村のモンか?」
少:
「そう」
オ:
「ならあんたには酷だがよくある話だ…どうもあの村のモンは子供を捨てる趣味があるらしい」
「この森は危険な生き物がうじゃうじゃいやがる 手に終えなくなったガキを始末するには打ってつけって訳だ
「オマケにこの森の入り口に生えている木にゃそりゃあ旨そうな実がたくさん実っているからな 興味本意で奥に入って行ったんだろうってことにされてろくに捜査もされずに終わるんだ
第一連中はその方が自分達にとって都合が良いからな」
少:「…」
オ:
「と、まぁ汚ならしい大人のお話はここまでにして、とりあえずあんたをどうするかだな
おれはまだ帰る訳にはいかねえ、だからあんたを家に送っていくことはできねえわけだ
まあ送り返されたところであんたに居場所なんかねぇんだろうが
だが、おチビさん一人こんなとこに置いていけるほどおれは薄情じゃねぇんだ」
少:
「?」
オ:
「一緒に来いよ!まあ、命の保障まではできねえが一人でいるよりはマシだろ」
少:
「…良いの?」
オ:
「ああ、男に二言はねえさ!!」
少女は一瞬嬉しそうな表情を浮かべたが、すぐに元の無表情な顔に戻った
数時間ほど森の中を歩いたがこれと言って危なげなこともなく時間だけが過ぎていった
オ:
「まぁな、ひっきりなしにクライマックスの連続じゃあさすがの俺様も参っちまうからな」
狩人のオッサンは痺れを切らしたのか安心したのか急に喋りだした
オ:
「と こ ろ で…だ さっきからいや、本当は最初から気になってはいたんだが…1つ聞いても良いか?」
少:
「何?」
オ:
「あんたに最初にあった時、そこはこの森の中央
つまり一番深く危険な場所だった
そこまで辿り着くのにおれの様なこの森を熟知した者でさえまる一日かかるんだ
まさかあんたの親御さんがわざわざそんな危険な場所まで連れていかねえはずだ
あんた一体どうやってそこまで辿り着いた…?」
少:
「私は…この森でよく一人で遊んでいたから…道には詳しいの」
オ:
「遊んでたって…あんな森の深くまで行ってか!?」
少:
「あそこまで行ったのは今日が初めて…
どうしても見付かって欲しくない物があったから…それを隠しにきた…」
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