真白学園腐女子の会

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「伊織、好きだ。付き合ってくれ」 キャー!素敵です前田様ー! 「え…ちょっと待って」 戸惑うお姿も可愛らしいです市川様ー! 「Yesか、はいかで答えろ」 俺様キャラ最高です前田様ー! 「それ選択肢1つだよね!」 ヘタレキャラもお似合いです市川様ー! …どうしてこうなった。 何で…何でこんなにも周りがキャーキャーうるさいことに…! _____________________ 遡ること1時間前。 「活動…報告?」 「はい!年に一度、真白学園の部活動報告というものがありまして!」 「で、俺と奏に協力して欲しいってこと?」 「はい!私達は作品を創る部活でして。いつもは展示なんですけど、今回は劇に見たてようと!」 そして差し出された名刺には…『真白学園腐女子の会 会長 村上 希』という肩書きが記されてあった。 「ふじょし?の会…」 「はい!腐女子の会、会長を務めております村上です!よろしくお願いします」 礼儀正しく綺麗に頭を下げた村上さんに、こっちも釣られて頭を下げた。 ふじょしって何だ。○○部、とかじゃなくて会って何だ… どうしようか、て奏を見るとなんだか顔がニヤけてる。怖い。 「こうやって頭も下げてくれてるみたいだし、受けてあげろよ」 「え、いいの?」 いつもなら俺が女の子と話してるだけで魔王降臨するのに…珍しい。 しかも、可愛い。 肩まである栗色の髪はゆるりと内巻きになってて…ボブヘアってやつだ。 女子力たけー。 笑顔も可愛いし、やっぱこの高校の女の子は可愛い子ばっかだ。花園だ。素敵だ。 「奏も良いって言ってるし…俺で良ければ手伝うよ」 ニコリと爽やかな笑顔を向ければ、村上さんは真っ赤に頬を染めて俺達を見た。 「ありがとうございます!これ、台本です!10ページのこの部分だけ、今読み合わせしてもらってもいいですか!?」 「う…うん」 受けた瞬間、めちゃくちゃがっついてくる村上さんに驚きながらも… それくらいなら、って読み合わせを始めた。 そして、冒頭に戻る。
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