真白学園腐女子の会

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「こちらの金髪の方が、2年の斎藤 近春様。今回はそちらの黒髪の方、同じく2年の前田 奏様の恋敵役をしてもらいます!」 喧嘩してる2人なんか全く見えていないかのように紹介し始める村上さん。 うん、もうそれでいいなら…俺も止めません。勝手にしてください…。 「そして同じく2年、主人公である市川 伊織様を2人で取り合っていただく設定でございます!」 めちゃくちゃ楽しそうに、ストーリーを織り交ぜて紹介していく村上さんは、凄く目がキラキラしてる。 本当に好きなんだ…ホモ。 「そしてこちらが、1年の吉野 隆之様。市川様に密かな恋心を抱きながら…良き相談相手として認識される悲しい役柄です!」 ペコリと頭を下げた吉野くん。年上ばっかに囲まれて緊張してるのかな。 次々に紹介されていく面々は、他は友達とか、兄弟役の人達。 今回の劇は、俺達4人の恋模様を描くらしい。 「最後に…2年、村上 希がこの劇の監督を務めさせていただきます!よろしくお願いします!」 パチパチー。と腐女子の会の女の子が拍手するのにつられて、俺も良く分かんないまま拍手しておいた。 取り敢えず…俺は奏、斎藤くん、吉野くんに想われて…最後に奏とくっつく的なストーリー。 何か…フィクションの世界だってことは分かってるんだけどさ。 分かってるんだけど…男にモテても全然嬉しくない。っていう感情しか湧き上がってこない…
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