真白学園腐女子の会

10/60

1993人が本棚に入れています
本棚に追加
/480ページ
「役作りにそこまでするとは…!さすが前田センパイですね!尊敬します!僕も頑張ります!」 「…は?」 役作り…。そうか、そういう勘違いか。 素直に俺達の関係を勘違いしたのかと思ったけど…奏がビックリしすぎて『は?』って返すなんて珍しいよ。 「違う。俺は伊織が好きなんだ。だから気安く触れるなって言ってんの。意味分かるか?」 「はい!そういう設定ですもんね!」 ダメだこいつ。そう呟いた奏は、はぁ…と深いため息を吐いて、もうそういうことにしといてくれって椅子に座った。 奏を黙らすなんて…すごいぞ吉野くん! 俺が何年もかかって成し遂げれなかった偉業を…こんな出会ってすぐの君がやるなんて…! 「師匠…!」 「ん?なんですか?」 「師匠と呼ばせてください…」 「何考えてんの伊織。舌引っこ抜くよ?」 怖いってば。 吉野くんは全く現状を掴めていないのか、頭に『?』を浮かべている。ごめんね、こっちの事情です…。 「さあさ、これから読み合わせをいたしましょう!今日は全員揃っているので、ピンの絡みから順に!」 村上さんの取り仕切りで、教室の机を全て端に寄せていくつかのグループに分かれた。 全員が登場するシーンからじゃなくて、俺と奏、俺と斉藤くん、俺と吉野くん…みたいな感じで。 他の人たちは、立ち位置や衣装合わせをするみたいだ。 衣装って言っても、私服だけど。そのキャラにはそのキャラに合った服なんかも用意してくれているらしい。 劇がメインじゃない部活なのに、ものすごく本格的だ。
/480ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1993人が本棚に入れています
本棚に追加