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「まさか最初に市川センパイとだなんて!よろしくお願いします!」
「よろしくね、吉野くん」
さて、始まりました。読み合わせ。まずは…ここか。
奏と斎藤くんに言い寄られて、俺が困ってるシーン。
それを吉野くんに相談するってとこなんだけど。
やっぱ村上さんは凄いなぁ…セリフの言い回しも、その人にすごく合ってる。
セリフに合った人を選んだのか…人を想像してセリフを考えたのか…。
どっちにしても、奏と俺のセリフとか本当にそのまますぎて怖い。
「では始めましょう!これを見て、少し立ち位置も考えたいので…通しでお願いします!」
まだ完璧には覚えていないから、2人とも台本を見ながらの合わせ。
他の人は他のシーンでの読み合わせをしてるけど、ご想像通り…奏と斎藤くんは喧嘩なうです!
そんなの気にしてたら練習が進まないから、こっちの読み合わせを始めることにしましょう!
「セーンパイ。おはようございます!今日も浮かない顔してますねぇ…また、何かあったんですか?」
「おはよう吉野くん。またって言われると悲しいけど…まあ、残念ながら」
「今日は前田センパイですか?それとも…斎藤センパイですか?」
「……どっちも」
台本の裏にはキャスト未定って書いてあったのに…ちょっとリアル。
違うのは、俺は吉野くんと知り合いじゃないってことと、
斎藤くんは俺の事が好きなんじゃなくて、奏にちょっかい出してるってこと…。
そう考えたら、奏と斎藤くんに密着したらさ…腐女子の人が喜ぶこと多いんだろうなぁ。
奏めちゃくちゃ押し倒されてるし。
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