1993人が本棚に入れています
本棚に追加
超可愛らしい、真白学園の顔の偏差値に大きく貢献してそうな女の子は、はぁー。とため息を吐いた。
プルプルの小さな唇に自然に目が行ってしまうほどに色っぽい。
そして腕組みをすると…少し目を伏せて、キリッとした目で吉野くんを見て
「私、男に興味無いから」
と、一言でバッサリと断った…。
まさかのレズ!!!
「まず。吉野 隆之…あんた、私のこと良く知ってるよね?」
「うん!」
キラキラした目で元気良く返事をした吉野くんに、またため息を吐いた彼女は
あーもう!ってぐしゃぐしゃに頭を掻くと、
「あんたバカなの!?ってゆーか、始めにちゃんと言ったわよね!」
って怒鳴って…自分の髪の毛を掴むと、そのまま引っ張った。
「俺、男なんだけど?」
「うん!知ってる!ひよりちゃんは男だけど、女の子なんだよね!」
ぱらりと綺麗なパーマの髪を手に持つ彼女は…茶髪の綺麗な男の子でした。
「え、オカマ…!?」
「オカマではありません。男に、娘って書いて男の娘(こ)です。ちなみに恋愛対象は女です。心は男。分かります?この意味」
「あ、うん。ごめん…」
思わず出てしまった言葉に、物凄く低い声で反発されてしまった。
さっきまで声高かったじゃん!!
怖いよ…更に恐怖が増したよ真白学園腐女子の会…。
「しかも俺、吉野に好きな人居るって言わなかったっけ?」
「言った!言ったけど、前田センパイの告白に凄い感動したから俺も負けないぞ!って」
「いや、負けてるし。今さっき俺に振られたし。万が一、億が一にも俺は今の子を諦める気はないから。希望が無いのも分かってたよね?」
そこまで仲良かったのか。
驚きすぎてテンパってる俺とは対照的に、奏は後ろであくびしてる。
てか腐女子の会の皆はこのシチュエーションでも喜ぶんだね…
頬を赤らめるタイミングが分からない。
しかも、さっきからカシャカシャうるせーよ。カメラ自重しろよ。
「うん!だからね、気持ちだけ知って欲しかったんだ!大好きだよひよりちゃん」
「俺は友達として好き」
「うん!俺も!今からは、友達として好きになる!ごめんね突然」
すごいニコニコしてるけど…吉野くんは悲しんでるんだろうか。
…少し眉を下げて笑っている。
俺に断られた時の奏とは大きな違いだ。だからといって落ち込まれると、俺も困るけど…。
最初のコメントを投稿しよう!