真白学園腐女子の会

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「待ち伏せと言われれば…ある意味そうなんですよね。本当は、ひよりちゃんを見てたんです」 「え…それ」 「ストーカーと同じだぞ」 やめてよ奏!俺も思ったけど飲み込んだのに!必死に飲み込んだのに…! やっぱりそう思います?なんて悲しく笑う吉野くんが可哀想だよ! いや、でも友達なんだから待ち伏せしなくても…そのまま一緒に教室に行けばいいのに。 「ひよりちゃん…いつもある女の子と一緒に通ってるんです。その子がひよりちゃんの好きな子なんですけどね」 「邪魔になるから…って、吉野くんは見てるだけにしてるの?」 そう聞くと、違いますよ。と首を振った。他に何か理由でもあるんだろうか。 俺には何も思い浮かばないけど。 「毎回お邪魔してすみません!では、僕はここで!また放課後に会いましょうね!」 「え、うん…またね、吉野くん」 「邪魔してる自覚あるならもう話しかけるな」 「冷たいよ奏。いいじゃん、階段登るまでの1分くらい」 その1分も惜しいくらい伊織との時間が大切なんだよ。って肩を抱いてくる。 いつも一緒に居るのに。 登下校も一緒にするし、クラスも同じ。休憩時間も一緒、お昼も一緒。 放課後は一緒に買い物に行って、晩ご飯を食べて。その後テレビを見ながらゆっくり過ごしてるから… 奏と別々になるのは寝る時くらいだ。 「え、ちょっと待って。今思ったら予想以上に俺達ずっと一緒だよね」 「家族同然だな」 「嬉しそうに話さないで。むしろ気にすべき点はそこじゃないよ!」 俺達…他にこれといって仲のいい友達が居ないんじゃないの…? そりゃあ、休み時間は佐々木くんとか、他の友達と話したりはするけどさ… 高校生らしく、放課後とか週末に遊んだりした記憶が少ない。 「ちょっとこれ…大問題だよ!」 「ちっ。気付きやがったか」 今舌打ちした!?ねえ!? 中学の時はバカみたいに夜中まで遊んだり、テンションによっては朝までノンストップで遊んでたのに 今はこれが普通になってる。 料理作るのは好きだし、買い物も楽しいし…学校で女の子を見てるだけで癒されてる。 それでもいいんだけど。 「これは…他校に居る可愛い子との出会いも逃している…!」 「なあ、マジで殺すよ?」 「…ひい!!」 つい本音が出てしまった。奏に女の子の話は禁物なのに。
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