真白学園2年A組

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結局、委員長だからとか意味の分からない理由で押し付けられた。 というか、爽やかは人当たりの良い…誰とでも気さくに話す性格だから この件を引き受けない理由が見つからなかったんだよ…! ちゃっかり斎藤くんの寮の合鍵まで渡してくる先生には、もはや拒否権など無かったのかもしれない。 「俺の人生終わったかも…」 そんな独り言を呟きながら、俺はトボトボと職員室を後にした。 もちろん、皆とすれ違う時は超爽やかスマイルで挨拶するけど。 教室へ帰ると、1人でご飯を黙々と食べる奏が居た。 あと…周りに何人かの女の子も。 何を話し掛けられてもめちゃくちゃ適当に返事を返してるけど。 「あ、おかえり伊織」 「ただいま!」 奏はモテる。ちょっと素っ気なくて、冷たいところもあるけど…そこがクールでいいらしい。 俺もモテるけどな!むしろ俺の方がモテるけど、奏のファンは忍耐の強い子が多い。 「奏君!今度一緒に遊ばない?」 「ふーん…」 こんな返事しか帰ってこないんだから、そりゃあ…強い子じゃないと好きなままでいれないよね。 というか、女の子の話すらちゃんと聞いてない。 遊びの誘いに『ふーん』は無いだろ。 「ごめんね?奏に悪気は無いから…許してあげて」 「ううん、いいの。こうじゃないと奏君じゃないもの」 「あはは…それならいいけど…」 女の子って、よく分かんない。 ってか…何で奏が好きな女の子って、巨乳の子が多いんだろう。 俺の事を好いてくれている子にも、そういう子は居るけど…数的に言うと奏の方が多い。 「あ、市川君帰ってたんだ!ごめんね、少し教えて欲しいところがあって…」 こんな感じで、お昼休みはいつも何人かの女の子がやって来る。 清楚な子や、真面目な子から…けっこうはしゃぐ明るい子まで。 全員可愛いのに…ヘタレな俺は手を出せず。 早く彼女を作りたいのに、斎藤くんを更生させるという超めんどくさい事を押し付けられた。
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