真白学園腐女子の会

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思わぬ奏からの攻撃に必死に耐えていた俺を助けてくれたのは、クラスメイト…ではなく、チャイムだった。 奏に攻撃されいる時だけは、爽やかとか忘れちゃうよね。もう何でバレてないんだろうってくらい全力で謝ってるし。 まあ、それ以外は普通に喋ったりしてるから、他の子にはちょっとはしゃいでるくらいにしか認識されてないんだろうけど。 なんて思っていると、怠そうにあくびをしながら斉藤くんが入ってきた。 いつも通り、ピリッとする空気になって…教室が静かになる。珍しいな…斉藤くんが朝から学校に来るなんて。 一応、あれから毎朝部屋に寄って一緒に行こうって誘ってるんだけど…寝てるみたいで、インターホンを鳴らしても出てこないんだよね。 とある事件があったから、合鍵を使って部屋に入ることもしてない。何があったかなんて事も、思い出したくもない。 たまに知らない女の子とか、男の子とかが出てくるのはどう反応すればいいのか分からないからやめてほしい…。 「おはよう、斉藤くん」 「…はよ」 こうやって挨拶をしたら、ちゃんと返事をしてくれる仲になれたことは嬉しいけどね。 むしろ、元はこっち側の人種だ。皆から怖がられる存在。 地味な子とも遊んだりしてたけどね。漫画友達とかは、そこから生まれたとこもあるから…斉藤くんよりはかなりフレンドリーな存在だったとは思うけど。 「遅刻だよ、斉藤くん。何で朝行ったとき出てくれなかったの?」 「寝てたんだよ」 「よく間に合ったね…」 「お前がピンポンピンポンうっせーから、それで起きたんだよ。ったく…全然寝てねえっつの」 身支度はしっかり整えてきてるけど、まだまだ寝起きだからか…ものすごく機嫌が悪いよ斉藤くん…。 眉間に皺しかないよ。
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