真白学園腐女子の会

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今度は本当に寝てしまったらしい斉藤くん。奏の件は、多分授業が終わる頃に機嫌もなおってるだろう…ということにして、放置することにしました。 「こうして春日局は…」 奏からの視線に耐えつつ、眠くなるような、ものすごくつまらない日本史の授業も必死に耐えて…俺はいつの間にか寝てしまっていた。 ダメなんだよなー。俺、あの先生の声が子守唄にしか聞こえないんだよね。 はい。 気付けば昼休みでした! 「なんでやねん…」 「何で大阪弁?」 「え、分かんない…」 俺を起こしてくれたのは、もちろん奏。 俺が誰とも話してないっていう午前を過ごしたからか、心なしかご機嫌さんに見える。 「伊織、ご飯たべよ」 「そうだね…って、あー」 「どうしたの」 「お弁当忘れました…」 朝作って来たのに…!これほど悔しいことはないです!しかも今日のお弁当は力作だった。 奏の好きなものばっかり入れて…今日のお弁当、奏喜ぶだろうなー。とか思ってたのに。 「どうする?取りに行く?」 「そこまでの時間はないよ…あと20分しかないし」 時間が無いのは俺が寝てたからなんだけど。いくら寮だからっていっても、往復10分はかかる。 ダッシュすれば10分でお弁当食べれるけどさ…そんな急いでご飯食べたくないじゃん。 「食堂でもいい…?俺が奢るよ」 「いいよ別に。俺は作ってもらってる側だから文句なんてないし、お弁当は晩御飯にすればいいだろ」 こういうところは優しいよなぁ、奏って。 いつもは暴力的だけど。
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