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「センパイさっきはすみません…!でも、本当に…ここからは俺の問題なんで、センパイは帰ってください!」
「そういうわけにはいかないよ。見ちゃったら、首突っ込むタイプなんだよ俺は」
しかも吉野くん殴られてるみたいだし…いや、俺も殴られたけど。
ひよりちゃんも、相変わらず女の子を庇うようにして、男を睨んでいる。
何したんだよこいつ…。よく分かんないけど、マジで止めないといけないのは分かる。
何を隠そう、そろそろ奏様が暴れかねない…ってのが今は1番の理由になってしまったけど。
「吉野も俺の伊織に手出しやがって…」
吉野くんに対しても、ものすごくブラックな事を小声で言ってるくらいだし。
吉野くんはさっきと違って、少しは頭が冷えたみたいだけど。
それだけで、殴られた甲斐があったなぁ…と。そんな事を思っている俺は甘いんだろうな。
あーあ。絶対後で顔面腫れるよコレ。歯とか抜けてないかなって一瞬心配になるくらい痛かったもんね…。
「もっと楽しませてくれよ…。お楽しみはこれからだろぉ…?」
「ちょっとちょっと。落ち着こうよ。なに?殴りたいの?喧嘩がしたいの?」
「喧嘩、っていうか…サンドバックが欲しいなぁ。って思ってんすよね、今」
おうふ…。そう来たでござるか。サンドバックかぁ…無理だ。それは無理だ。
俺もこれ以上殴られたくないし、だからって奏や吉野くんを差し出す気も無いし。
どうしよう。こいつ戦闘狂かよってくらい血湧き肉躍ってんだけど…!
骨ポッキポキ鳴らしすぎだろ指痛くない!?てくらい鳴らしてんすけど!
公衆の面前で、自分の気持ちを包み隠すことなく、欲望を曝け出す姿はもはや絶賛したいくらいだけどね。
愛すべき馬鹿だ。
てか先生とか誰も呼んでないわけ?皆冷たくない?食堂の人もさぁ…気付いたなら直ぐに連絡すべきだと思うのですが。
「ねえ、先生呼んできてくれない?」
だから、ちょうど真後ろに居る野次馬の1人にそう声を掛けると、フルフルと首を横に振られた。
おお…マジか。拒否られたよ。
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