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隣町っていっても、かなり大きな町の端っこが俺の出身校…黒岩中学があるところ。
そしてここも、町の端。端と、端だから…電車で通うってなると片道1時間以上はかかる場所だ。
まさか俺とひよりちゃんが同じ中学だったなんて…!これはかなり誤算だ。
真白学園に進学したのは、黒岩では俺と奏だけ。他の中学の奴ともよく遊んでたけど…見当たる顔はここには居なかった。
でもひよりちゃん…女の子になってたら見つけようもないよ…!
「あ、でも黒岩ってすごい不良が居たらしいですよ?俺の地元まで悪い噂が流れてました!」
やだやだもう聞きたくない。聞きたくないよ!数年前の俺を全力でボコりたい…。
地元だけで有名かと思ってたのに…まさかこんな離れた場所にも俺の存在が知られてたなんて…!
「1対100人相手でも喧嘩に勝ったとか、先生の車を廃車にしたとか…ヤクザ相手に喧嘩売って首絞めて落としたとか…」
「……こ、怖い人だね…」
ああああ。真実に尾ひれが付いてなんか大きな噂になってるよ…!
違うよ相手は20人だったよ。廃車にはしてないよパーツを全部バラバラにしただけだよ…。ヤクザの首じゃないよ生徒指導の先生の首だよ…。
それでもあまり内容が変わらない事については触れないでいただきたい。
「星になりたい…」
「え…?今、何か言いました?」
「ううん、独り言…」
今すぐこの空間から逃げたい。
「ひよりちゃん、そんな学校に居たのによくイジメられなかったなぁ…って、すごい安心してます」
その天使のような優しい笑顔に返す爽やかフェイスが作れないよ…。
「ひ、ひよりちゃんといえばさ…何であの男達にイジメられてるの…?」
「ああ…ひよりちゃんは、イジメられてる、というより…イジメの標的になろうとしてるんです」
「なろうと…?何でそんなこと…」
良かった。うまく話を逸らせたみたいだ…もう黒歴史は振り返りたくない。
でも、いくら男だからって…あんなにか細くてホントに女の子みたいな子が標的になりたがってるなんて。
今回も突き飛ばされてたし、あの体格だと返り討ちになんか出来そうにないはずなのに。
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