真白学園腐女子の会

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手を握られるついでに、サッと手際良く絆創膏を貼ってくれた。 こうやって普通の話をしてれば、吉野くんに触れられてもドキドキしないんだけどなぁ。 ドキドキって、そんな可愛いもんじゃないけど。戦闘態勢にいつでも入れるくらいの緊張感だけど。 「ホントに、今日は感謝しかないです!酷いこと言ったのに、助けてくれてありがとうございました!」 「ううん、俺は何もしてないよ。ただ止めに入っただけだし」 味方に殴られるという…なんとも最悪な結果だったしね。 吉野くん、喧嘩は弱くても良いパンチ持ってるよ。すげえ痛かったもん。 「俺、ホントにセンパイが好きです!」 「誤解を与えるような言い方だけど…うん、ありがとう」 思ったことをそのまま口に出してしまう性格って…扱い方に困るなぁ。 告白にしか聞こえないよ、それ。 「今日はホントにごめんなさい。殴ったり、触ったり…」 「気にしてないからいいよ。男同士だからセクハラにもなんないしね」 つい素をだしてしまうくらいには怒っちゃったけど。それだけ反省してるなら良しとしよう。 俺は先輩だからな。それくらい許せる寛大な心は持ってるよ。 「あ、あの!それで…少し相談に乗ってほしいのですが!」 「ん?どうしたの?」 「好きな人を諦めるには、どうすれば良いのでしょうか…」 おお。突然暗くなったな吉野くん。そういや、告白したのに怒られてたね。 好きな人を諦める方法か…。 時計の針は午前1時を指している。これは、なんというか…寝不足になるのは決まったね。 取り敢えず、オールだけは避ける方向で相談に乗ってやるか。
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