1993人が本棚に入れています
本棚に追加
__________________
あああ…何で俺はこんなことしてんだろ…。市川センパイに、相談してたはずなのに。
手を止めなきゃ、ってそう思うのに。体が勝手に動く。
「センパイ…」
「よしのくん、ふあ…」
もう外が明るい。朝になってしまった。センパイ、いつも前田センパイにお弁当を作ってるって言ってたし
毎朝早くに起きてるから…眠さが限界にきてるんだろうなぁ。
センパイは眠くなると甘えるタイプらしい。目を擦りながら、ウトウトしてて…
俺の手をギュっと握って、ふにゃふにゃの笑顔で俺を呼ぶ。
相手はセンパイだって分かってるのに…!手を出しちゃダメだって分かってるのに…!!
あまりの可愛さに思わずキスしてしまった。
あああああ!なんてことしたんだ俺は!夜は思わずお尻触ってもいいか、なんて馬鹿なこと言って怒られたばっかじゃんか!
それに俺が好きなのはひよりちゃん!ひよりちゃんなのに!
センパイを見てるとどうして行動を制御出来なくなるんだろう…。
「もっと、ちゅー」
「ふ、え!?センパイ…!?」
ギューっと、俺の首に手を回してくるセンパイは、そこらの女より色気があって困る。
回された腕は男らしくゴツゴツしてるし、体格も男そのものなのに…どこまでも女の子みたいなひよりちゃんとは違うのに…!
何で俺はセンパイのシャツを捲り上げてるんだろうか…
誰か…誰か…俺を止めてくれ!
いや、止めないでほしいけど!これはダメだよ!
「センパイ…すみません」
手を止められなくて…すみません!センパイが綺麗すぎて…高1の俺には止められそうにありません…!
思い切ってシャツを脱がせた。
「俺の伊織に何してんの、クソガキ」
「うわあぁぁぁ!?あ、あの、これは!」
「理由はどうあれ殺す」
時刻は7時。
朝ごはんを食べに来たらしい、部屋着姿の前田センパイ…という名の悪魔が、俺の腕をギシギシと音が鳴るくらい強い力で握ってました。
最初のコメントを投稿しよう!