真白学園腐女子の会

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「あ、あの。センパイ…!明日、お互い頑張りましょうね…!」 「うん、一緒に頑張ろうね」 あ、そういえば。今日の吉野くんは少し変だ。いつも通り元気で、声も大きいのには変わりないけど。 俺達と話す時だけ、心なしか緊張してるように思う。どもってるし。 それに、奏の顔を見たときは一際大きくビビってるように感じる。 「センパイ…昨日…」 もう帰ろうとカバンを肩に掛けると…何か言いたそうに、俺の前に立った。 今日、24時間寝てたと奏に言われて驚いた。吉野くんに悪いことしたなぁーって。 「そうだ、昨日!ごめん、途中で寝ちゃったよね…俺」 「え、え?」 「あれ、違った?吉野くんと好きな女の子のタイプの話をしてたまでは覚えてるんだけど…」 ひよりちゃんの話をして、中学の話をして…それから、好きなタイプの話になって。 そこからの記憶はあやふやで、どんな話をしてたのかもいまいち思い出せない。 これじゃないなら何だろう…と聞いてみれば、吉野くんはどこか安心したようにフッと息を吐いて 「いえ、夜中まで付き合わせてすみません…!それが言いたかったんです」 と、ぺこりと頭を下げた。 そんなの気にしてないのに。むしろ、最近はお弁当を作ってるのもあって、夜更かしが出来なくなってるんだよなぁ。 前はオールもよくしてたし、朝まで起きてるなんて日常茶飯事だったんだけど。 「で、では!それだけです!さようなら!また明日!」 「うん、また明日ね」 慌てて帰った吉野くんに、笑顔で手を振った。 いつも思うけど…吉野くんって、テンション高いよなぁ。 いつも笑顔だし、声でかいし。身振り手振りもすごいし、犬みたいに人懐っこい。 お菓子とか、食べ物をあげたら、無茶な願い以外は受け入れてくれそうな…なんか、そんなものを感じさせる。 いや、なめてるわけじゃないよ? ちょっと、ちょろそうだなぁ…って。うん、そう思っただけ。
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