真白学園腐女子の会

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「伊織は諦めた方がいいよ」 「え、何を?」 「俺以外の奴を選ぶこと」 「……………」 むしろ人生で1番避けて通りたい選択肢なんですけど…! 男とって…しかも、親友と。 奏がどれだけ色気のある格好をしてても、理性に何も響かない自信がある。 それは男全員に言えることだけど。 そんな俺が…奏を選ぶなんて、多分、いや確実に、あり得ない! しかも奏は優しくないし。暴君だし。 「だから、俺に惚れればいいよ。それで問題ないから」 「…ほーら!ご飯だぞー!味付けもばっちりだ!うまそーだろ!早く食べよ!いただきまーす!」 臆病な俺は、奏に何も言い返すことなく話を無理矢理逸らしました… ここでガツンと言ってやらなきゃならないんだろうけど…うん、俺にそんな度胸は無い! 断言しよう! 俺は喧嘩の腕には自信があるけど、奏を相手にするのは無理です!命に危険が及びます!臆病者なんです! 誰か助けてください…! 「それで話を逸らしたつもり?」 「ぶひ…」 「まあいいけど」 これで今夜もなんとか奏の魔の手から逃げ延びる事が出来ました。神様ありがとう。 黙々と、ハイスピードでご飯を食べる奏を見ながら、今日のご飯も美味しいと思ってくれてるんだな…なんて。 そんな事を思う。 たまに、本当たまーに思う。 こうやってほぼ同居状態で、常に一緒に居て…しかも奏は俺が好きで。 こういう関係を、 友達以上恋人未満 と言うのではなかろうか。 ああ…この相手が女の子だったら…駆け引きとか楽しそうなんだけど。 何で相手は立派な男の子なんでしょう。 「奏が女の子だったらなぁ…」 「伊織のちんこ切ろうか?」 「やめて!何でそうなるの!想像しただけで痛いから…!」 まあ、この関係になったからって…俺の奏に対する気持ちは変わんないし…。 別にいいんだけどね。
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