真白学園腐女子の会

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翌日。 とうとう、本番がやって来た。 今の感情を一言で表すなら…うん、眠い。それだけかもしれない。 普通なら緊張するはずなんだけど、そんなことよりも睡魔が勝ってるくらい眠い。 寝ずにセリフ入れたらこうなるのは分かってたんだけど…緊張すれば睡魔なんてどっか行くと思ってた俺がバカだったのかもしれない…。 「伊織。顔が緩んできてる。頼むからアレはやめろよ」 「分かってるって…ここでソレは無い。眠いけど、学校だし…」 アレってのは、俺が眠くなったら見境が無くなること。俺は記憶にないけど…男女構わず誘いまくるらしい。 それはもう酔っ払いのように。 中学の時、そうなったのを友達にムービーで撮られて気付いた俺の失態No.1。 そういや…俺、吉野くんの時は平気だったんだろうか。 起きたら奏が目の前に居たし、特に何も言ってこなかったから…そのまま寝たかもしんないけど。 奏に聞いて怒られても嫌だし…まぁ、これは忘れることにしよう。 「そろそろ本番だぞ。セリフは覚えられたのか?」 「うん…なんとか」 覚えれたけど…眠すぎてよく頭が回ってないや。ちゃんと話せるかなぁ。 観客はどれくらいなんだろう。 客席見たら緊張して眠気もどっか行けばいい。なんて思ってても…今でこれなんだから無理かもなぁ。 「セリフ飛んだら助けてね」 「キスすればいい?」 「…ああ、うん。もう何でもいい」 あー。超眠い。今日は土曜日だよな…劇さえ終われば帰れるし、終わったら帰ってすぐ寝よう。 晩ご飯の時間迄に起きれば問題ないよな…多分。 ご飯さえ作れば奏も怒んないだろうし…ってマジで俺お嫁さんみたいじゃん…。 世の中の主婦は大変だなぁ…。あーあ、ねむ。今なら寝るのに1秒もいらない気がする…。
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