真白学園腐女子の会

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セリフ覚える為に徹夜した俺の努力を誰か返してください。 あんなに必死になって覚えた意味が全くないんですけど?ねぇ。 「気のせいだよ。それよりさ、聞いてよ吉野くん…」 もう知らん。俺はアドリブに対応しないぞ。そうやって翻弄したってな、俺は負けないからな! 吉野くんとの最初のシーンのセリフでそのままスルーして、それ以上また何か違う事言ったらぶっ殺すぞ的な笑顔を向けておいた。 だっておかしいよ。 舞台袖でニヤニヤしてる腐女子の会の面々は、誰も何もフォローしてくれないし! 楽しんでんだろ!楽しんでんのは分かってんだよこんちくしょう…! 可愛いからって何でも許されると思うなよ!許すけど!許すけどさ!可愛いから! もう一生劇なんて引き受けない…とか思いながら、吉野くんとの会話を台本通りに進めていた途中。 ふと、どれくらいの人が見てるんだろうって観客席を見ると、数人の見知った顔が。 わお。ふぁんたすてぃっくべいびー。 「吉野くん、ごめんね。後輩にこんなこと話しちゃって」 「いえ!いいんです!僕で力になれるなら、いつでも言って下さい!飛んで行きます!」 「ありがとう」 そそくさと、吉野くんとのシーンが終わって再び舞台袖へ。 ふぁんたすてぃっくべいびーが数人居たよ…あれってアレだよね。いじめっ子。 「吉野くん、気付いた…?」 「あいつらですか?いつものことですよ。どこまでも付きまとって来るんです」 それなんてストーカー?あの子達は暇なのか。絶対そうだろ暇だろ。 今回はどっちに用があるのか…というか、劇がこのままちゃんと終わる事を願うことになるとは。 お願いします神様。 どうか、どうか。これ以上誰もアドリブを言いませんように。そしてふぁんたすてぃっくべいびーが何事も問題を起こしませんように…。 叶えてくれないならもう神社や寺に行っても一生お賽銭あげません。
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