真白学園腐女子の会

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それからも劇は進んでいき…本来ならやっと奏と斉藤くんに告白されて俺の葛藤が始まるってとこなんだけど。 奏がいきなり告白から入ったもんだから、もう物語も終盤に。しかも俺が奏を選ぶという…ほんとうに終わりかけ。 「市川…行くのか」 「うん。今までいろいろごめん。俺は奏じゃないとダメみたいだ」 「…ったく。仕方ねぇな。じゃあ、前田と別れたら俺のとこに来い」 「斉藤くん…」 最後に斉藤くんに自分の気持ちを伝えて、それで、俺は奏の元に行くんだ。 「ずっと待ってる。俺の気持ちは変わんねぇから」 斉藤くんがマジで超カッコいいこと言ってるところ、本当に悪いんだけど。 俺の意識は睡魔じゃなくて…もう目の前のふぁんたくてぃっくべいびーに一直線でございまする! だって…だってあいつらいつの間にか舞台の真ん前…というより舞台に乗り出しそうな勢いの近さでガン見してくるんだもん…! すっげー睨まれてるし。 「…っち」 斉藤くんが俺にしか聞こえないくらいの、本当に小さな舌打ちをするくらい…話を盛ってるとか何にもなく超近い。超睨んでる。 俺も睨み返してやりたいところだけど、まだ劇の途中だし。俺は爽やかだから華麗にスルーしなくちゃなんないのが辛い。 2年前の俺だったらもうボッコボコだ。 …二度と立ち向かえない様にするのに。 しかも何か典型的な感じでくちゃくちゃと音を立てながらガム噛んで、舞台の下に居るのに俺達を見下ろしてる感じがホントたまんない。 分かるかなぁ…俺の気持ち。 例えるならそう。めっちゃ沸騰してうるさいヤカンとか? そんな回りくどく言わずに一言で済ますならこの言葉が一番かもしれない。殺意。 脳天抉り出してやろうかくらいの。
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