とても好きな、あの人

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吉野くんや、ひよりちゃんを狙っていたあのいじめっ子集団。 クズ。そう吉野くんに言われている3人組は、あの劇が終わった日から執拗に俺達に絡んでくるようになった。 休憩時間は必ず教室に来る。場所を移動しても、どこから情報を得たのか必ず現れるし…どんだけ暇人なんですかっていう…。 もちろん、このいじめっ子達は弱い者虐め専門だから、女の子をいじめるという最低な事をしていたんだけど…。 俺は弱くない。むしろ強い。 だから、超笑顔で受け答えして、さりげなく校舎裏まで呼び出した。 『学園の王子様が相手してくれるなんて…光栄ですよ、市川先輩』 ボッコボコにしてやる。そんな目で見てくるいじめっ子3人衆に、俺も『そんな良い身分じゃないよ』って舌なめずりをした。 俺はストレスが溜まっている。 日々奏から迫られるあの恐怖と怒り。女の子と喋る為に作った爽やかを披露する度に体のどこかを必ず攻撃されるし、あの劇で受けた屈辱も…心の中で燻っている。 『伊織、やるのか』 『見張ってて』 奏の言葉に、やる気満々の俺は"手を出すな"という意味を含めて言葉を返した。久しぶりに喧嘩が出来る…! こんな機会逃すワケないじゃん。 喧嘩は好きってわけではないけど…ここまでストレスが溜まった今、発散方法は暴れる以外ないでしょ。そう思わない? 『遊んでやるよ。光栄に思え…クソガキ』 突然変わった口調に驚いた様子だったけど、今更引くに引けないいじめっ子達は、一斉に飛びかかってきた。 タイマン、って言葉を知らないのかこいつら。 まぁ…一気に向かってきたところで、負けるなんて微塵も思わねーけど。
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