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「そんなことないよ!斎藤くん良い人だし!少なくとも、俺は斎藤くんのこと好きだよ!」
「………ああ、そう」
冷たい!てか、初対面で何言ってんだは俺の方だよね!ごめんね!
でも斎藤くん、思ってた印象と違うし…早く学校来させてバイバイしようとしてごめん!
「明日から迎えに来るから…一緒に学校行こ?」
「………たまに、なら。行ってやらなくもない」
まさかの上から目線!
ここはツンデレということにしておこう。斎藤くんを萌え属性に置き換え…
あ、ちょっとキモいわ。やめよ。
「じゃあ、また明日ね」
「…おう」
なんだよー。先生がビビらせてくるから気負って行ったのに、斎藤くん良い奴じゃん。
全く殴ってこないし、酷い言葉も言ってこないし。
もしかして、先生だけが嫌われてるのかな?
それ、ちょっと可哀想。
それとも俺が爽やかだから?そっか…爽やかってこういう得な事もあるんだ…。
ガチャ、と自室のドアを開けて、俺はルンルンでキッチンへと向かった。
「おかえり。なに、もう作るの」
エプロンを付けて、冷蔵庫の中身を取り出す俺に、奏がソファに寝転びながらそう言った。
いつも思うけど、奏って人の家とか関係無しにめちゃくちゃくつろぐよね。
「斎藤くんが良い人だった!俺の爽やかのおかげだよ!」
「は?」
全く意味が伝わっていないのは分かってるけど、俺は今最高に気分がいい!
「だから今日は…手間をかけてご飯を作ります!」
包丁を上にかざしてドヤ顔する俺に、ふーん…と呟いた奏は、ゆっくり立ち上がった。
こっちへ来る奏に何?と首を傾げれば、両手をグーにしてコメカミでグリグリされた。
「痛い痛い痛い!何で…!?」
「いや、何かムカついたから」
「理不尽…!」
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