とても好きな、あの人

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「なんだ。君達そういう仲なの?じゃあ君も入る?俺とコタちゃんと、伊織ちゃんで食堂4P!」 「…は?」 ヤバイヤバイヤバイ。 話が変な方向に行ってる。どうしよう。いや、元からそういう話でここに戻って来たんだけどさ。 「なに、伊織はいつからそんなに淫乱になったの」 「違うよ…これは、無理やり」 「そうだよね。伊織は押しに弱いもんね……で、俺に殺して欲しいの?」 「………………」 逃げたい。本当に逃げたい。 今度は恐怖で涙が止まらない。 「あれ、せんぱい泣いてるんですか?」 最悪の状況とはこの事なのかもしれない。いじめっ子が居たのを忘れてた…! 一郎が超楽しそうな声で俺に話しかけてきたのはいいけど…泣き顔見られた最悪。 しかも周り見たらめちゃくちゃ野次馬出来てる…俺見て驚いてるよ女の子達が。 視界が潤んでてよく見えないけど 「市川くん…泣いてる?」 なんて、会話してるのが聞こえる。爽やかどこ行ったよ俺。泣き止みたいのに恐怖が邪魔してますよーっと。 「可愛いね…1年生?」 「そうですけど。誰すか」 「可愛い…どう?俺が啼かせてあげようか?」 「は?」 突然来た一郎に近寄ると、陸先輩は両手を頬に添えてキスをした… 「なっ、は!?え、キモっ!!何すんだよてめぇ!!」 ゴシゴシと唇を擦る一郎は、顔を真っ赤にして怒鳴った。ご愁傷様、一郎。俺はターゲットが変わって嬉しいよ。 やっとの事で解放された腕で涙を拭うと、何故かニヤリと笑っている奏が目に入る。 「どうしたの、奏…」 「先輩。そいつ今飢えてるらしいんで、相手してあげたら喜びますよ?」 「え、ほんとー?じゃあ、俺が満たしてあげるよ。たっぷりと…ね?」 「は?何言ってんすか、うわ、力強い…え、どこ行くんすか!?」 「ぐちゃぐちゃにするなら、もっと盛り上がれる場所がらあるからさー!俺が案内してあげる!」 奏の一声で、陸先輩は俺の事なんて忘れて一郎と共に立ち去ってしまった。それに付き合うように、コタ先輩も。 なんだったんだ…あの人達。 「え、良かったの?一郎ヤバイんじゃ…」 「伊織に手を出した罰だよ」 そう呟いた奏の顔は、今まで見た表情で1番悪い顔をしていた。 背筋が凍るほどに。
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