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「か、かなで…?ちょっと、やめ…お願い…いや、来るな…っ!」
いつにもなくマジな目をしてる奏に、震える体。伸ばした手は、俺の首へと届き…そして、ギュッと力を入れられた。
「俺は伊織が好きだから、俺だけのモノにしたいんだよ、分かる?」
奏がそう言ったのと同時に、その手は首の皮膚を掴んだ。引っ張った。つねった。
「いた、ちょ、え…何?痛い痛い痛い痛い痛い!」
「思いっきりつねったら、キスマークみたいになるかな?」
「それなら普通にキスマーク付けられた方がマシ!痛いってば!マジで、痛い」
そう言うと、やっと離してくれた。ほんと、この人の狂気さが半端ない。
なんだよキスマークって…。て、あれ?俺、今、なんか、言っちゃいけないこと…言った…?
「伊織」
目の前に優しく名前を呼ぶ、気持ち悪いくらいににっこり笑う奏が現れた。
たたかう?つかまえる?逃げる?
「俺は逃げるを選ぶ!!」
「何言ってんの伊織」
「俺も分かんないです」
やれやれ。と横に首を振る奏に、それはこっちのセリフだよ!なんて、ちょっとした怒りも少しこみ上げた。
絶対、俺にそう言わそうとしたに決まってる…奏ほど俺の性格を熟知してる奴はいないからな…。
この逃げられない状況で、俺はどう逃げたらいい…?逃げないとヤられる…殺られるならいいんだけど…
「手錠を外してはくださいませんでしょうか…?」
「断る」
「はーい了解でーす!」
速報。
学園の王子様が、失ってはいけない大事なものを失いそうな件について。
レス待ってます助けてください…!
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