真白学園2年A組

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奏ってちょっと暴力的だよね。返事も冷たいし。 あ、でも返事の冷たさは斎藤くんも一緒だったなぁ。 俺の周りって素っ気ない人ばっかり集まるのかな…? なにそれ辛い。 「ちょ、マジで痛いからそろそろ止めて…」 「今日の晩飯はオムライスにしろ」 「分かってるよ!元からそのつもりだったって!」 「………………」 やっと離してくれた…。 奏、顔に似合わずオムライスが大好物なんだよね。 こんなこと言ったらラリアットでも喰らわされるんだろうけど。 「今日は奏がわーい!って喜ぶようなオムライス作ってやるよ!」 「…ワーイ」 「早い!実物目の前にしてから言って!悲しくなるから!」 「注文の多い奴…」 ボソ、とそれだけ呟いてソファに寝転んだ奏。 くそ…こうなったら、見た目も味も最高なオムライス作ってやるんだからな! と、いうわけで。 まずはチキンライスを俺の秘伝の分量で作る。内容は内緒。 チキンライスだけでも超うまそうな匂いしてるぜこのやろう! 俺が女だったら、いい奥さんになれると思うんだよね。ガチで。 そして、見た目をアレンジするのは、これだ! 「奏、ハートと丸…どっちがいい?」 「…どっちでもいい」 素っ気ない…!心の中ではオムライスが食べれる事を喜んでるくせに! いつも静かな奏が鼻歌を歌うのは、オムライスを作る時だけだから。 まあ、仕方ない。どっちでもいいって言ってたし…両方にするか。 ここで登場、クッキーの型抜き。 形はハートと丸。 これで卵黄を使って焼いた卵の型を抜いていく。 良い感じの模様になるように。 で、フライパンでもう1回焼きながら型を抜いたところに卵白を流し込めば…なんと! オムライスに柄が出来ちゃうのでーす!ぱちぱちぱち~。 黄色の中に、白い水玉とハートの模様が入ったこいつでチキンライスを包めば… やば、うまそう。 うん、分かってるよ。男が男相手にこんなオムライス作るなんて…普通にキモいことくらい。
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