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「また首を突っ込むのか?」
すげえ嫌そうに言う奏に、まあまあと肩を叩いた。どれだけ止めたって、そういうのを放っておけない俺には無駄だって分かってるだろ。
しかも、あの3人の中に居るのはひよりちゃんと美羽ちゃんだ。片方はあれだけど…か弱い女の子を虐める光景を見て、放っておけるワケがない。
「誰かが止めなきゃダメだろ?」
「放っておいても大丈夫だと思うけどな」
「助けた方が早く終わるじゃん。どうせ、俺達はもう目を付けられてるんだし」
そう言うと、奏はため息を吐きながらも中庭の方へ歩みを進めた。
さすが奏さん。持つべきものは友だぜ!
「先に言っておく。無茶する必要はないからな」
「喧嘩になったら余裕勝ちだから大丈夫!」
「そういう意味じゃねえんだけどな…」
「ん?何が?」
どういう意味?って首を傾げても、奏は気にすんなって足早に行ってしまった。
いや!置いてかないで!?
なんでちょっとイライラしてんだよ…いや、関係ない事に首を突っ込むダルさってのは分かるけど。
何か他に理由でもあるのかな?
その理由が何であろうと、中庭に行くのは決定してるけどね。
「おー。派手にやってんなぁ…」
俺達が中庭に着いた頃には、当然の如く吉野くんも加わっていた。鬼のような形相で。
一郎と吉野くんはお互い首元を掴んでいて、今にも殴り合いが始まりそうな一触即発の雰囲気。
「こらこら落ち着けって。ここで騒動起こしたらお互いヤバイだろ?」
すぐに2人の間に入って引き離すと、すげえ睨まれた。両方に。
吉野くんはどっちかっつーと感謝してほしいんだけどね!?俺、君の味方として来たってのに!
「センパイは関係無いんで引っ込んでて下さい」
「王子は城にでも引きこもってろ」
何故だ。解せぬ。
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