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「ひよりが…怪我しないなら、後はいいの…」
「…あれれ、今のは幻聴かな?」
奏と喋ってたら、後ろから可愛い声が怖いこと言ってるのが聞こえたんだけど…幻聴だよね?
魔王と同属の何かを感じるのは気のせいだよね?
「私は…ひよりが側に来て、くれるから…苛められても…平気なの…」
「吉野くんはアウトオブ眼中な感じ?」
「ひよりが…私の為に、動くのは…気持ちいい」
心が病んでる系女子現る…!!!
その暗い笑顔も似合ってるよ美羽ちゃん!可愛いよ!怖いけど!
そしてそれに引くかと思いきや、思いもよらぬ両想い宣言に喜ぶひよりちゃんも異常かもね!君たちお似合いだよ!
「それで?お前らの為に戦う吉野は無視してデートでも行くか?」
痺れを切らした奏がため息混じりにそう聞くと、ひよりちゃんはニヤリと笑って首を振った。
「怪我しなけりゃいいんだろ?これからは2人の時間を大切にしたいから…めんどくせえけど終わらせてくる」
と、腕まくりしながら吉野くん達に近づいて行った。その瞬間、吹っ飛ばされてたひよりちゃんを思い出して止めようとしたけど、またもや魔王に止められて…
仕方ないから魔王を本気で振り払おうと、今後の命に関わる行為をしようと決意したら。
「さっさと死ねこのクソ野郎!」
なんて…さっきまでの女の子っぷりが吹き飛んだ男らしいひよりちゃんの声と共に、鈍い音が鳴り響き…太郎は地面とキスしてた。
静寂。
「え…なに、今の…」
「だから伊織は止めなくても大丈夫だったんだよ」
「説明になってないよ魔王様」
「伊藤ひより。居ただろ、小生意気な後輩が」
伊藤ひより…?伊藤ひより…ひより…ヒヨコ…ぴよちゃん…ピーちゃん…ピー…?
ん?そういや居たな、ピー。俺にめちゃくちゃ突っかかってくるチビが。
「え、ピー?あれピー…?」
「そう。あいつはピー」
ピー!?ヒヨコみたいな名前に加えてピーピーわめき散らしては何回も俺に喧嘩吹っかけてきてたピーか!?
おいおい再会したら女の子になってました的なオチ!?
世の中こえぇ…
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