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太郎を背負って帰っていく次郎と、仲良くイチャイチャしながら帰ったひよりちゃん達。
野次馬もぞろぞろと解散していって、残ったのは魔王と三郎と吉野くん…という謎のメンバー。
ちなみに、ひよりちゃんに襲いかかろうとした三郎の襟首を掴んだまま、俺は立ち止まっていた。
「おい三郎…お前は恋してんのか」
「してない」
「失恋した事はあるか?」
「恋とかしたことない。ってか、先輩俺の名前覚えてないの。さすがにあだ名でも三郎は嫌なんだけど」
女の好みの話とか前ちょっとしたじゃん!なのに初恋すらまだなんて…なに?君はピュアなの?それとも喧嘩が恋人なの?
あんな…固まってる吉野くんをどっやって慰めるのさ!
「三郎…吉野くん慰めて」
「喧嘩弱い奴に興味ないし」
「名前覚えてやるから…!!」
「メリット少なすぎ」
「よし。3日間だけなら飯奢ってやる!」
これでどうだと交換条件を出せば、三郎は少し悩んだ後、
「……橘 遼太郎」
と名前を名乗って吉野くんの元へ行った。
さすが食いしん坊バンザイ!!!三郎はやれば出来る子だって思ってたよ!犬猿の仲の三郎を吉野くんにぶつければ、きっと吉野くんの心は紛れるはず。
失恋の痛みを少しでも忘れてくれるはず…!多分…!
てか名前長いな!たちばな りょうたろう だってさ!苗字でも名前でも長いから呼びにくい!
「責任転嫁」
「何のことか分かりませんな」
隣でボソリと呟いた奏の言葉は聞き流そう。触らぬ神に祟りなし。
変に慰めて、余計落ち込まれたら本当にどうしていいのか分からなくなるからね…
敵をぶつければ、どうなっても大丈夫だろ。
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