真白学園2年A組

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その数分後に食べ終わった俺。 後片付けと皿洗いはいつも奏がしてくれている。 カタカタとキッチンから音がするのをBGMに、ソファの上でウトウトしていた。 何か…今日は疲れたなぁ。 斎藤くんがホモだと思ったらホモじゃなかったってだけの1日だったけど。 明日は早めに起きて、斎藤くんを迎えに行かなきゃ。 毎日学校に来てるって言ってたけど…ちゃんと教室まで連れてって、授業を受けてもらわないと。 もしかしたら、明日こそ殴られたり罵られたりするかもしれない。 そんなことされたらどうしよう…爽やかをキープしつつ、いい感じに回避するしか無いよね。 どうすればいいのか全く思いつかないけど…。 「おり…伊織…」 「んー」 奏の声が聞こえるけど…ダメだ。目が開かない…。 「ったく…」 その声の後に感じたのは、浮遊感。 あ、優しい…ベッドまで連れてってくれるんだ。 奏って、いつもは冷たいけど…こういう時は超優しいよね。 ギシギシと音を立てるベッドに優しく寝かせてくれて、しかも掛け布団を首まで被せてくれた。 そして完全に意識を手放そうとした時 「おやすみ、伊織…」 何か、唇に柔らかいものが当たった…気がした。 ん?んん? 「かな、で…?」 「どうした?」 奏を呼んでも、返ってくるのは至って普通の返事。 俺の勘違いだったのかな…? 「おやすみ…」 ダメだ。頭が回んない。 最後に奏が何か言ってた気がするけど、その言葉を聞き取る前に 俺は意識を手放した。
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