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「寝起きのセンパイって、なんか…プライベート丸出しですね」
「………あ、ああ」
そうだったー!俺今全然爽やかのカケラもないんだった…!一生の不覚。
橘ならいいかとかさっき思ってたところなのに…ダル着だし髪もボッサボサだし。
顔も絶対寝起き感出てるよ絶対確実に。
「忘れて…誰にも言わないで…」
「じゃあこれも秘密にします…」
これ『も』って何。俺、他にも何かやらかした?え、何かしちゃった感じ?怖いよ。
急いで朝ごはんを食べて、脱衣場で髪を整えて制服に着替えた。市川伊織、一生の不覚。
今まで奏とばっかり一緒にいたから何も無かったけど、話す人が増えるとすぐバレちゃうんだね…。
脱衣場から出ると、奏と鉢合わせた。奏はもう天使のカケラもなくいつもの魔王になってる。
いつもと違って4人で学校へ行くのは何か新鮮だ。
しっかり斉藤くんの部屋はスルーしたよ。インターホン10回鳴らしても出てこなかったし。
またインターホンのせいで起こされたって怒られるんだろうなぁ…後半5回くらいで「うるせえ!」って叫び声が聞こえた。
「斎藤センパイ…待たなくて良かったんですか?」
「怒っちゃうからね」
寝起きの怒りは恐ろしい。頭が回ってない状態だからか、完全にクレーマー化しちゃうしね。
まあ…多分、きっと、1時間目が終わる頃には来るだろう。保険医の先生が出社してなければ。
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