1993人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんだよ奏さん。すごい似合うじゃん」
「伊織もすごく似合ってるよ」
「うわぁ…全然嬉しくねぇ…」
着るのは嫌だよ。嫌だけど、皆(主に女の子)が頑張って作ってくれた衣装を嫌がるなんてこと出来ないよね。
奏は本当、よくアニメで見るようなコテコテの王子服なんだけど、すごく綺麗に着こなしてる。
滲み出る腹黒さは隠しきれてないけど、それでも王子としては充分だ。
俺が着れば…もっと爽やかで素敵な王子になれたんだろうけどね!残念ながらこれでもかってくらいビラビラの付いたドレスだよ!
しかも何か…想像してたのと違う。
「何で俺のはこんなにポップなの」
「作り手の趣味趣向じゃない」
とんだ趣味だね!
シンデレラって、姫界の中では一番謙虚で一番おしとやかで一番綺麗なイメージあったんだけど。
何でこのドレスミニなの?怖いんだけど。
歴代の姫にこんな破廉恥な格好するやついたの?現代でもいるかどうか不安だぞ。
しかも後ろ側だけ床に着くくらい長い。
「市川くんも前川くんもすごく似合ってるね」
「あは…は、ありがとう…」
「足綺麗!すごい細い!」
「そうかな…」
「ねえ!当日、足の毛剃ってきてよ!もっと綺麗になれるから!腕も!」
「う、うーん…うん、はい…」
何故だ!何故俺はこんなにも従順なんだ!?
いくら爽やかでも断っても全く問題ない頼みなのに!そうか!これが美女パワーか!?
奏も剃ってほしかったのか、女の子と喋ってても怒ってない。
奏が邪魔しない時って、俺の苦行が始まる時だけだよね。悲しくなってきた…。
へるぷみー。
最初のコメントを投稿しよう!