委員長のお仕事

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次の日の朝。 昨日の事は夢だったって事にした。 「おはよう伊織。腹減った」 あまりにも奏が普通だからだ。 昨日は俺が先に寝ちゃったから、奏も泊まっていった。 ほら、玄関の鍵閉めれないじゃん? さすがに起きた瞬間、目の前に奏の顔があった時はビックリして死にそうになったけど。 寝起き早々、腹減ったとか言われたら確実に夢だと思うよね。 「あ、用意するからもうちょっと寝てていいよ?」 ベッドから抜け出し、シャワーを浴びてから朝ごはんの準備。 ハムエッグを焼いて、食パンの上に乗せるだけの簡単なご飯。 ジュージュー焼ける音を聞きながら作ってると、やっと頭が冴えてきて。 ん?アレが夢だとしても… 俺、キモくね?重症じゃね? 男に…しかもずっと友達だった奏にキスされる夢なんか見ちゃったよ? 「おおふ…おいらもとうとう学園の男共に洗脳され始めているってことでござるか…」 自分でもわけの分からない言葉を呟いてるのは分かるけど… 何かすげぇ冷や汗出てくる。 朝ごはんを作り終えて…まだベッドで寝てる奏を起こしに行った。 スヤスヤ寝ている奏を見て、少し硬直。 いやいやいや。何を意識しようとしちゃってんの俺? 寝顔可愛いなぁ…とか思ってないよ!?全く思ってないからね!? いや、これは毎回思ってることだ。 いつも目付き悪いのに、寝てる時だけは優しい顔して寝てるから。 「か、奏!ご飯出来たよ!」 ビックリするくらい震えた声が出たけど気にしない。気にしない。 俺は男だ。女の子が好きだ。 その中でも顔が可愛くて巨乳の子が好きだ。うん、好きだ。 「う…んん」 身じろぐ奏にビクリと動く俺。 だから。意識するなって。
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