シンデレラは眠らない

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「どこで手に入れたの…こんな素晴らしい女子力」 「普通だろ」 男子高校生がお風呂で洗いあいっこもかなりおかしいと思うんだけどさ、男子高校生が泡で体洗ってるとかも本当に稀だと思うよ。 風呂は出来るだけ早く終わらしちゃいたいタイプな俺からすれば、泡立ててる間に全身洗い終えちゃうからもういいやってなりそう。 奏…変なところはマメなのかな。 「いつも泡?」 「今日初めてだ」 「えっ、初体験…」 「俺の初めては伊織にあげようと思って」 真顔の低音ボイスで言うのはやめていただきたい!! 何だよ初めてって!じゃあ何!実は本当に裸見たいだけ?あれ冗談じゃなくてマジのやつ!? 泡で時間稼ぎとは…やるのう奏殿。 阿呆の俺には分からなんだ。 「流すぞ」 「うい」 シャワーをかけられると、今まで恥ずかしがって出てこなかった立派なお腹が登場した。 ちょっと…最近ひとつまみくらいはズボンにお肉乗るんだよなぁ…。 めっちゃ窮屈なんですけどー出してくれよー、と毎日心の中でアフレコしてる。My bodyに。 精一杯腕に力を入れて、鏡の自分と見つめ合う。 「Perfect body!」 しっかりした素晴らしい発音で叫んだら、めちゃくちゃ静かになった。 シャワーも止められ、奏は俺を見るなり小さくため息を吐いて風呂から出ていきました。 「お、俺の渾身のボケを…!」 許すまじボケ潰し…!! この場合は!何がPerfectなんだよって!お腹ポヨポヨだろって!ツッコミ入れるところなのに! 「悲しくなるから突っ込んで!?」 「ちんこを?」 「なんでやねん!!」 なんだかんだで仲いいよね、俺たち。
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