委員長のお仕事

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「腹減った…」 「うん、用意出来たから早く起きて」 目を擦りながらゆっくりと起き上がった奏は、フラフラしながらリビングへ。 まだまだ眠いらしい。 無言でパクパク食べる奏は、今にも寝そうな雰囲気だ。 「奏…起きて。俺、斎藤くん迎えに行かなきゃなんないから…そろそろ出たいし」 平常心、平常心。と、自分に言い聞かせながら斎藤くんの話をすると、ピクリと奏の手が動いた。 「俺も行くから待って」 それだけを話すと、凄まじいスピードでパンを口の中へ突っ込み、用意も済ませていく。 寝起きであんな素早い動きを出来るのは奏くらいだと思う… てか、そんな急がなくても…。奏が面倒なら、1人で行こうとしてたんだけどな。 いつもは一緒に行ってるけど。 「出来た。行くぞ」 「ほーい」 斎藤くんのお迎え初日。 取り敢えず…殴られないことだけをモットーに、起こしに行こうと思う。 玄関を出て、廊下を歩くこと数秒。 ピンポーン………。 呼び鈴を鳴らしても出ないのは想定内だ。多分寝てるんだろう。 そこで登場、合鍵! 「何か泥棒の気分だね…」 「いいから早く開けろ」 「了解しました!」 ガチャ、と開けると…俺より先にズカズカと部屋に入っていく奏。 これ軽い不法侵入なんだから!もうちょっと恐る恐る入る感じで行こうよ! とは思いながら、俺も着いて行く。 「誰…」 まぁ、当然斎藤くんがベッドに寝てるワケで。 薄っすらと目を開けながらこちらを見る斎藤くんの隣には、女の子…。 「さ、さ、斎藤くん…」 うん、こんな言葉しか出なかったよ。だって2人とも下着しか着てないんだもん!
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