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玄関を開けるとまっすぐ廊下があって…両サイドには多分、トイレとかお風呂とかの扉。
真っ直ぐ行った突き当たりに、リビングへの扉がある。
この辺は俺の部屋と変わらない。
「もしもーし。奏くーん…何かあったのかなー?入っちゃうよー?」
うん、ビビりすぎて声出ない。
でもこのボリュームでも、絶対リビングまでは聞こえるはずなんだけど…
「…………っ!」
「………?」
何か言い争ってる感じの声は聞こえるから、多分俺の声なんか届いてないよね。
どうしよう。
マジで喧嘩してるじゃん。
玄関のドアを開けて、首だけ突っ込んだ姿勢から、完全に中へと足を踏み入れてみる。
ゆっくりと、足音をたてないようにリビングへと近づいていって…
そーっと扉を開けると
な ん と い う こ と で し ょ う
「ひぃぃぃぃ!すみません失礼しました!ごゆっくりどうぞー!」
何考えてんだよあの2人ー!爽やかなんかもうどうでもいいよ!
今自分がものすごい顔してるってのは分かってる!分かってるけど!
とにかく1度部屋へ戻ろう。
バタン。
と、たった数秒の道のりをゼーゼー息を荒らして帰ってきた。
あいつら…思春期真っ盛りの俺を廊下にほっぽり出して何してるのかと思えば
キスしてやがったよ!
ベッドの上、斎藤くんが奏を押し倒してて…奏なんか俺を見て眉間に皺寄せやがった。
邪魔すんなってやつだよきっと!
くそう…
ガチャ、と鍵を閉めて…学校に電話しました…。無遅刻無欠席だったのに。
「すみません市川です。今日は体調が悪いのでお休みさせていただきます…」
なんか、ショックでした。
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