委員長のお仕事

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いつまでもダラダラと用意をする斎藤に、段々腹が立ってきて… 『こっちまで遅刻させる気か?外で伊織を待たせてんだよ。早くしろ』 …そう言った。 その言葉に、斎藤はこっちを見てニヤリと笑う。 気持ち悪い顔するな、って俺が睨み付けたら、斎藤が覆いかぶさってきて。 『それって、俺と2人きりになりたかったからなのか、市川を俺に会わせたくなかったのか…どっちだ?』 斎藤との距離は、ほんの数cm。 体をベッドに縫い付けるようにされれば、いくら俺が男だとしても…そう簡単には抜け出せない。 いざという時は、頭突きでもぶちかませば何とかなるけど。 『離れろ』 『どっちか言えよ』 『殺すぞお前…』 『やれるもんなら』 俺がおとなしくしてると思って良い気になりやがって…。 てか、早く用意しろよ。 『お前が何も言わねえなら、次のターゲットは市川に変えるぜ?知ってんだろ、俺の噂』 『伊織に何かしてみろ…死ぬ以上の苦しみを与えてやる』 『ってことは…俺に会わせたくなかったってことか』 そういう会話をしていた時だ。 伊織が部屋に入ってきたのは。 その瞬間…あいつ、何を思ったのか俺にキスしてきやがった。 頭に虫でも沸いてるんじゃないか? そして、最初の会話に戻る。 「早く離れろ」 「何で。もったいねーし、このまま喰おうかなって思ってんだけど」 その言葉に驚くこともなく、何故かこ状況でおっ立ててやがる斎藤に頭突きをした。 「いって…!」 「キモいんだよヤリチン野郎」 その隙に抜け出して、今度は後頭部に回し蹴りをお見舞いしてやった。 一応、手加減はしたが…こいつにはその必要は無かったか…。 頭に2発も食らったくせに、何事も無かったかかのように平然としてやがる。 「容赦ねえ奴だな。萎えちまったじゃねぇかよ」 「一生喋れないように舌を引っこ抜いてやろうか?」 「遠慮しとく」 とにかく、こいつはもう着替え終わってるし。早く行くぞ、と一緒に学校へ向かった。 でも、伊織は先に行ったのかと思ってたけど、どこにもいなくて。 「帰る」 「じゃあ俺も」 「お前はここに居ろ。授業を受けろ。伊織に迷惑をかけるな」 「………市川狂信者」 「何とでも言え」 文句を言ってくる斎藤を置いて、寮へと帰った。
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