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そうか…分かったぞ。
斎藤くんの話をしたら奏がイライラしてたのも、1人で会うなって言ったのも…
全部、奏が斎藤くんを好きだからだ!
好きな人に近付かれることが嫌だったから、ああやって俺を離れさせようと…。
そうか。奏は男が好きだったのか。
偏見は無い!偏見は無いけど…ちゃんと俺も奏の気持ちを考えて、朝迎えに行くのは奏に任せよう。
やっぱり好きな人とはずっと一緒に居たいだろうし…!
部屋に帰ってきて、放心することほんの数分。
何であんな事になっていたのか、俺なりに単純な頭で考えてみた結果だ。
うん、これはなかなか良い線いってると思う。探偵になれるかもしれない。
天才だ、俺。
ここの学校にはホモが多いから…奏はそれを知ってここに入学したんだ。
そうだよな…奏、顔は良いのに彼女出来たなんて話は聞かなかったもんな。
奏は彼氏が欲しかったんだ!
そして、キスしてたってことは…2人は付き合ってるはず。
あれはおはようのキスだ。
ああああああ……そんな甘々な朝の雰囲気をぶち壊しちゃったんだよな、俺。
絶対怒ってるよ…。
____ピンポーン
「伊織、俺だ。開けろ」
「魔王がやって来た!」
「誰が魔王だ。早く開けろ」
「ひぃ!奏様!どうかお帰りください!静まりたまえ!」
ドアに両手を向けて、出るはずの無い気孔派をぶち当ててみたけど、やっぱり効果は無い。
ガンガン蹴ってくる音にビビりながら鍵を開けると、超不機嫌そうな奏の姿。
「何で学校行ってないんだよ。斎藤を迎えに行った意味が無いだろ」
「頭痛が痛くて…」
「……………」
「嘘です睨まないで下さい」
速報。
奏が殺人鬼のような目をしてます。
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