委員長のお仕事

12/30

1993人が本棚に入れています
本棚に追加
/480ページ
隣に座った。 そこから、沈黙。 えぇぇぇぇぇ。何で沈黙なんですか…無言の圧力ほど怖いものは世の中に無いよ! これは、アレか。 俺が先に謝ればいいのか。 俺が何を言いたいか分かってるだろ?的なやつか。 あああああ…どうしよう。どうやって話を切り出そう。 斎藤くんと付き合ってること、奏から聞いてないけど…奏が怒ってる理由は絶対それだよね…! よし。 漢、市川 伊織!いざ、出陣! ぷぉおぉ~。 ちょっと情けない法螺貝の音を頭の中で流して、俺は奏の目を見つめた。 そして、頭を下げる。 「ごめん!奏が斎藤くんと付き合ってるなんて知らなくて!邪魔した事、本当にごめんなさい!」 俺がそう叫んだ後…シーン、と。また静かな空間が広がった。 どうしよう。やっぱり奏ビックリしてるよね。理由を言い当てられたんだから。 きっと奏は、男と付き合ってる事が言いづらかったんだ。だから黙ってたのに、俺に感づかれて…驚いてるはず。 「伊織………」 ずっと頭を下げた状態だったけど、少し震えた奏の声で顔を上げた。 驚きで震わせてるのかと思ったけど…そうじゃなくて。 何かさっきよりも怒ってる様に見えるんですけど…!? 「あ、あれ…?違う…?」 「どうせそんな事を考えてるんだろうなとは思ってたよ」 伊織はバカだから。と言った奏は、両手で俺の頭を挟んだ。 そこに物凄い力を入れて。 「痛い割れる!頭が割れる…!」
/480ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1993人が本棚に入れています
本棚に追加