委員長のお仕事

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「伊織。この間、起きてたんだろ?何でそういう考えになるんだよ」 「痛い痛い!何がですか!?」 マジでどこからその腕力が出てるんだってくらい、奏は力が強い。 冗談抜きで頭蓋骨が割れるかも。 「…伊織」 「うぅ…何?」 やっと解放されました。時間にして、ほんの30秒くらいだったと思う。 その短時間の軽い拷問で、残念なことに目から変な汁が出ております。 「泣くな。男だろ?」 「…勝手に出てくるんだよう!」 てか、その理由を作ったのは紛れもない大魔王、奏様ですよ! もう。毎回だから別に気にしてませんけどね!ちょっと痛すぎるだけで! 片手でゴシゴシと目を擦って汁を拭くと、奏が俺の頬に手を伸ばしてきた。 それで、俺の手が止まる。 奏が俺に触れてくるなんて…暴力的なことをする時しか無かったのに。 何か、ちょっと優しい。 「どうしたの奏…?」 そう問いかけると、奏は小さく呟いて…顔を近付けてくる 「5年だぞ?そろそろ気付けよ…」 「…かな、で?」 ん?今、何が起きてます? 俺、さっきまで奏から頭に圧力かけられてたよね…? 突然、朝の斎藤くんと奏のキスが頭に過った。何でって? キスされてるからですよ…! ちょっと待って!何で今そうなったの?そんな流れだった? いや、そういう流れがあったとすればそれはもう大問題だけどね。 友達の領域超えちゃってるから。 じゃなくて。 「唇柔らかいですなぁ!プルプルじゃないですか!普通に気持ちいいよ!」 「どうも」 違う違う!褒めてる場合じゃない! 何で、こんな… 「ま、まさか…斎藤くんと間接キス…!?」 「どこに驚いてんだよ」
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