委員長のお仕事

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本日2度目の放心状態を迎えた俺。 奏は、斉藤くんと付き合ってるはず…なのに、何で俺にキスをしたわけ? あまりにも突然すぎて、キモいとかはないけどさ…それよりも、疑問の方が大きすぎて。 「俺さ、この気持ち…押し殺すつもりはないから」 「うん、何が?」 「伊織が好きだって気持ち」 「あ、え…うん」 え? 「奏って…俺のこと好きなの?」 「うん」 「めっちゃ殴ってくるのに?」 「うん」 「それって友情的な意味で…?」 「友達にキスするか?」 「しないね」 「恋愛感情だからな」 ちょっと待とうか。時よ止まれ。 奏が宇宙語話してる件について。 いや、日本語だよ。 え、この人真顔で何言ってんの? いつも俺を小馬鹿にしたような薄ら笑いか、睨んでくるか、虫けらを見る目で見てくる奏が…俺を好き? 「それってアレ?俺とイチャイチャする関係になりたいってこと…だよね?」 「そうなるな」 何で?何でこんな話になった? 朝、奏に斉藤くんの部屋の前でぼっちにされて…帰ってこないから不法侵入したら、2人がキスしてて。 ダッシュで逃げ帰って、学校を休んだら…奏が魔王のような形相で俺の部屋に来て。 超怒ってるから、2人が付き合ってるなんて知らなかったって謝ったら、キスされた。 で、俺が好きだって。 ああ、分かった。 「それは告白というやつですな奏さん!」 「そうですよ伊織さん」 か、奏が…俺のノリに乗ってくれた!? これはそうか。ガチのやつか。 「奏。俺、奏のこと友達と思ってるから…その…」 「知ってる」 沈黙。 え、断ろうとしたら知ってるとか言われたんですけども…! それなのに、めっちゃ近づいてくるんですけど! どんどん後ろに倒れざるを得ない状況になっていく俺に、ひじ掛けという魔の物体が俺の頭を止める。 ちょっと待って! 何で軽く押し倒されてる感じになってるの!
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