委員長のお仕事

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「奏…ちょっと落ち着いて」 「落ち着いてる」 顔を近付けてこないで!俺はそういうの望んでないから!奏のこと大親友としか思ってないから! 絶対またキスされる…と思って、渾身の力で奏の胸をグッと押したら、奏が手に優しく触れてきて… 「痛い痛い痛い痛い!!!!!」 指を曲がらない方向に曲げられた。 「抵抗するなら、折る」 「どこの極悪人だよ!それ強引とかの領域越えてるよ?分かってますか奏さん!」 とか、反抗しながらも…力を抜いちゃう俺って、結構ちょろいのかもしれない。 はい。キスされましたよ。2回目の。 もうどうにでもなれってんだよ。 「伊織。賭けてみるか」 「何をですか」 唇を離したと思えば、奏は楽しそうに笑ってそんなことを言った。 この状況でする賭けなんて、絶対ろくなもんじゃないのは分かってるよ。 「伊織が俺を好きになるのが先か、俺が伊織を諦めるのが先か」 ほらね。 残念だけど、俺はその賭けには乗らない! 奏は俺より頭がいい。勉強だけじゃなくて、頭の切れがいいって言うのかな。とにかく頭がいい。 俺のことなんて熟知してるし。 どんな手を使ってでも、俺と付き合う結果に持っていくだろう。 そうなれば、俺の答えは1つ。 「その前に奏に殴り殺されるに1票!」 「じゃあ決まりだな」 「何が!?」 何か思ってたのと違う方向に持っていかれている! 俺はこの学校を何の為に受験した!? そう!それは彼女が欲しいからである! 断じて彼氏が欲しくて来たのではない! と、いうか。 「奏は俺の永遠の友だと思ってたのに!」 「それは悪いことをしたな」 「感情がこもってないのが清々しい!」 本日の出来事纏め。 奏が斉藤くんと付き合ってると思ったら付き合ってなくて、奏は俺が好きらしくて2回もキスされて、なんか変な賭けをすることになりました。
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