委員長のお仕事

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____________________ 次の日。 え?あの後の事だって? 聞いてくれるな。男には、言えないことがあるんだよ。 「では、クラス分お願いしますね」 「はーい」 今日は委員会の日。 高校2年になると、夏前に修学旅行というものがあって。 そのしおりを作る作業が、今日の仕事。 もちろん、問題児の奏と一緒に出席しておりますよ。 藁半紙に印刷された持ち物とか、注意書きとか、行き先とかが書かれた紙をホチキスで止めて冊子にしていく。 とても簡単な作業。 ちなみに行き先は大阪です。国外じゃないのかよ…!って、普通に撃沈した。 でも、女の子と一緒だから気分はウキウキ。天にも昇る心地。 「市川くん、楽しみだね」 なんて天使の笑顔で話し掛けてくれる女の子に、そうだねって笑顔で返す。 女の子も一緒にしおり作ってるの。もうそれだけで幸せだよ! この子おっぱいは小さいけど、清純派で俺好みの顔です! 「あの…良かったら、自由時間…私と過ごしてくれませんか…」 「え…?」 きたこれ!マジですか!自由時間っていえば、あれだ!ユニバーサルスタジオジャパン! USJを共に…それはデートってやつですね! それはもうこんな可愛い子に言われて断るわけがないよ。 俺でよければ、って返事をしようとした瞬間…問題児が口を挟んできた。 「伊織は俺と周るから」 「え…?」 ちょい待ち!そんな約束は1回も交わした覚えはないですけど!? 悲しそうに、ごめんなさいって謝る女の子。俺も悲しいよ。 「そう…だよね。修学旅行は友達と周りたいよね…」 「そんなことないよ!奏も一緒で良かったら、一緒に遊ぼうよ」 落ち込む女の子の肩に手を置いて、超爽やかスマイルでそう言ったら、思いっきり足を踏まれました。 もちろん奏に。
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