委員長のお仕事

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_____________________ 「奏、美味しい?」 「伊織が作ったってだけで、美味しく感じる」 「あ、ありがと…」 お昼。俺の作ったお弁当を黙々と食べる奏は、いつもとは違う返事を返してきた。 普段は普通、とか、まあまあ、とか、いつも通り、とか…絶対褒めてくれなかったのに。 褒めてほしいとは思ってたけど、褒められるとむず痒い。 しかも今回は、ほぼ真顔の奏が笑顔で言いましたよ。サラッと恥ずかしいことを。 「照れてる伊織…可愛い」 「……………」 ああ、ダメだ。いつもと違いすぎて特製卵焼き落としちゃったよ、もったいない…。 ご飯を食べ始めてから数分、奏がペロリとご飯を食べ終えた頃に、いつも通り女の子達がやって来る。 奏に猛烈アピールしに来る女の子と、俺目当てで来る子。 校舎も離れてるのに…どんなスピードでご飯食べてるんだろう。 なんて、けっこう頻繁に思う。 そして1人、奏に軽くボディタッチをしながら…ちょっと化粧の濃い女の子が話し掛けた。 すごい勇気だ。 「うるさい。黙って」 それに対しての奏の態度も揺るぎない。てか、ほんの少し当たりがキツイ気もする。 ちょっと乱暴に手を振りほどいてるし。 それを呆然と見ながらご飯を食べ終えた俺を見ると、奏は俺の手を取って立ち上がった。 「早く行くぞ」 「え、あっ。ごめん、また今度一緒に喋ろうね」 強引な奏に驚きつつ…悲しそうにこっちを見てくる女の子に謝って、教室を後にする。 「斎藤を探すんだろ。ちんたら歩くな」 やっぱり奏は斎藤くん絡みになると不機嫌だ…。 正直言うと、斎藤くんより女の子と話す時間の方が俺には大事なんだけどなぁ… だめだめ。斎藤くんをちゃんと更生させないとね。
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