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前まではどんな妄想しても、いや無いわ…とか思ってたのに、今回そうじゃないってことはもう…あれだよ。あれ。
惹かれてるのは確かだよ。そりゃ、もう…紛うことなき真実だよ。認めたくなくても、気持ち的な部分で自覚したら、理解くらいはするよ。嫌だけど。
最終的に辿り着く行為以外は…その、終わらしちゃってるわけじゃん?俺たち。
ワンナイト的なやつなら、あのキモイ奴みたいに、最後までまっしぐら!て、なるんだろうけど。
俺達は時間をかけてゆっくり進んじゃってるよね。もうそんな…軽い気持ちとかじゃなくて、しっかり想っちゃってるわけで。
「俺…奏のこと…あの、え?本当に?ちょっと待って、最後に考える時間もうちょいくれ。ちゃんと答え出すから」
「…何の話」
まだ俺に跨ったまま、俺のこの人生最大の脳みそフル回転顔を眺める奏さん。この状態で放置されたからか、心なしか不機嫌そう。
そりゃそうだ。でもお願いちょっと待って!
男同士ってなにするの?いや、分かってる。女の子と付き合うのと、何ら変わりない。変わりないから、戸惑うんだよ。
「…長い」
「っ、んんんー!」
そこで、しびれを切らした奏さんからな猛烈なキスを頂きました。
引き離そうとしても、肩が痛くて、そんな病人にも手加減はなくて、痛いのとびっくりしたのとで、やんわりと混乱中。
取り敢えず痛いのが先だよねと、受け入れることにした。これは仕方ない。だって痛いんだもん。
そしたら、その数秒後には離してくれた。ちょっとでも動けば触れそうな距離で、吐息は100%俺にかかる。
「なに、やっと俺なしじゃ無理だって気付いた?」
「ちがっ、痛くて…」
「そんなにキョロキョロしながら言うこと?」
してないよ!してない…よな?してるか。奏が言うんだからしてるんだろう。まだ肩はじんじんと痛むけど、別の意味で唇もじんじんしてる。
毎回思うけど、いつケアしてんのってくらい、唇めっちゃぷるぷるだな。超ぷるぷるだから、触りたいくらいには、気持ちいい感触。
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