委員長のお仕事

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「伊織…!」 「かなでぇ…」 悲しいことに、ボロボロと流れる涙が止まらない俺。 やっと解放された事に安心して、奏に抱き付いて泣いてしまった。 「ほら、離れろ。こんな格好…誰にも見せられねえよ」 「それは、俺が…キモいから?」 ヒクヒク泣きながら、鼻声の俺。もう爽やかのカケラも無い気がする。 でもいいもん。奏の前だから。 「んなわけないだろ。話は後で聞くから…今日は帰るぞ」 「うん…」 優しい手つきでパンツとズボンを着せてもらって、シャツのボタンもとめてもらった。 立ち上がり、俺を抱き締めてくれた奏は、俺の頭を撫でて… 「ごめんな」 って、小さな声で呟いた。 奏は何も悪くないのに…何で?って聞く前にはもう、奏は蹴飛ばされた痛みで蹲ってる先輩をぶん殴ってた。 「ふざけんなよ…伊織に手出しやがって。ぶっ殺してやる」 「いてて…やだなぁ。ダメなんだよ俺。理性とか無いから、すぐ襲っちゃうんだよね」 だから、勘弁して?って笑う先輩に、一切の容赦なく…今度は顔面に蹴りを入れる奏。 変な音した!変な音したから!下手したら死んじゃうやつだからそれ! 撲殺とか駄目だよ! 先輩、鼻血垂らしながら気絶してるし!綺麗な顔だったのに… 「か、奏!俺なんともないから!早く帰ろ!な!」 「泣いてただろ」 「違うよ!アレは……そう!汁!目から変な汁が出てただけだよ!」 「何言ってんだお前」 ええ、その言葉はごもっともでございますよ奏さん。 自分でもちょっと何言ってるか分かってないですからね。 とにかく! 「地味に息子勃っちゃってるんで!これ以上は勘弁して下さい!」 先輩が気絶してるから、もう爽やかとかはいいです。ズボン苦しいんです。 家帰ってスッキリさせてください。
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